日本で唯一、南十字星が見えると言われる宮古島と八重島諸島。
そのひとつである石垣島は88星座のうち84もの星座を見ることができる素敵な島!
そんな魅力的な島は、日本最高の観光地とも言われ一年中、多くの観光客で賑わっています。
観光イベントの多くも開催され、星空を楽しむ「南の島の星まつり」というものも人気なんですよ。^^
そんな星の美しい石垣島には、星空にまつわる民話、伝説も多くありますので少しご紹介しますね♪
まず、旧暦の8月15日は、中秋の名月「十五夜」。石垣島では、お月様をみながら伝統舞踊などを楽しむ「十五夜祭」があります。十五夜といえば月見団子ですよね。でも、こちらのお月見団子を見たらびっくりしますよ~~。
楕円形の餅につぶつぶ小豆をまぶした「フチャギ」という私たちのお月見のイメージとは全然別物が供えられています。
この米粉を練って蒸し上げたお餅は、砂糖も入ってなく、小豆塩ゆでのまま、まぶされているだけのもの。味はともかく、昔からこの地方で、豊作を祈願し、ヒヌカン(火の神様)、仏壇、神棚にお供えしているそうです。小豆は、魔除けの力があるとされていて、そのままの形でまぶしたふちゃぎを食べると、災いを遠ざけるというありがたいものなのです。
その地方の文化なんですね~~~。
そして、この「フチャギ」には、誕生エピソードがあって・・・
昔、あるところに魔物に惑わされた人が自分でも気づかないうちに、墓に入れらていました。
そこに、たまたま通りかかった人がいて、声を発することができない惑わされた人は、必死の思いで通りかかった人の肩をつかんだら何とその拍子に墓から出ることができたんだとか!
いきなり肩を冷たい手でつかまれた人は、ビックリして走って逃げようとしたけれど、その惑わされた人の話を聞きき、家族の元までその人を連れて行ってあげたんだそうです。
惑わされた人の家では、いなくなって49日たつので、葬儀の準備をしていたのですが、本人が生きて帰ってきて、びっくり。なにはともあれ、無事帰ってきたとみんな大喜び。葬儀のために準備していた餅に祝いの意味をこめて、小豆をまぶして食べた・・・という言い伝え
この偶然のとりあわせで、できた「吹き上げ餅」がいつしか「フチャギ」と呼ばれるようになったということです。今では、お月見のときにあたりまえのように、お供えされるようになった「フチャギ」。まさに伝説のお餅ですね。
十五夜は、月の不思議なパワーが全開になるといわれています。その日の月の明かりには何でも見通す力があり、人に取り付いた魔物も月の光に見通され逃げ出すとか。とりあえず、この「フチャギ」を食べて、厄払いしたいものですね。
昔は、お月見シーズンだけのものだったらしいですが、今では、年間を通して売っているお店もあるようです。
美しい夜空を仰ぎつつ、「フチャギ」を食べてみませんか?