日本の中でかなり南に位置していている石垣島。
美しい星を見られることから別名「星の島」とも言われているそうです。
今のように時計やカレンダーのない時代には、その星が日々の生活の道しるべにもなっていたんだとか!
なんだかロマンチックですよね。^^
そこで今回は、星空にまつわる伝説をご紹介したいと思います。
むかしむかし、石垣島から南にある黒島に、胸が4つある美しい娘が暮らしておりました。
年頃になった娘の元には、連日たくさんの男たちが「結婚をしてください!」と訪れるようになりました。
胸のことは恥ずかしいけれど秘密にしておけないと考えた娘は正直に男たちに打ち明けていったところ、驚いた男たちは、どんどんと去っていったそうです。
しかし!一人の男だけは強く娘に求婚してくれたので、その男と結婚し、子宝も恵まれ、平和に暮らしていたんだそうです。
そんなある日、遠く沖縄本島「首里の王様」から娘あてに「自分の元へ来るように!」と伝言がやってきました。現代のように交通機関の発達していな時代ですから、黒島から沖縄本島へ行くという事は二度と帰れないという事を意味します。
娘は嘆き悲しみましたが、王様のいう事は絶対!逆らうことは不可能です。
「もしも、二度と帰る事が出来なくても、私は星になってあなたたちを見守っています。春の田植えのころと、夏の稲刈りのころに、南の空を見なさい。空にひときわ輝く大きな星となり、私はあなたたちを見守ります。」と子供たちに言葉は残し王の元へ旅立っていきました。
やはり母は二度と戻ってこず、子供たちは、母の言葉を思い出し毎年田植えのと稲刈りの時期には、南の空に現れる2つの大きく輝く星を「アブー(お母さん)」と呼び続け暮らしていくしかなかったそうです。
なんて悲しいお話なんでしょうね・・・。^^;
しかし、島民にとっては田植えと稲刈りの時期をきめる大切な2つの星「パイガ星」「アブー星」との出会いの伝説とも言えるのかもしれません。
ちなみに、この星は「ケンタウロス座のα・β星」のことなんだそうですよ。^^
このような星にまつわる民話や伝説が多く残っている石垣島では、
毎年8月に「南の島の星まつり」と題し、美しい星空を愛でるイベントが開催されています。
このイベントの皮切りに行われる「石垣島一斉ライトダウン」が凄い!!
なんと島内の電燈を消すことによって、市内に天の川を出現させようというんです。
これは、島民一人ひとりが石垣島の美しい星を大切に思い協力し合わなければ実現できない難しいイベント。普通ではなかなか出来そうもないことだけど、それを実現してしまう石垣島の“しまんちゅ”は素敵!
自分の目で天の川を眺めることができるなんて感動しないわけがないですよね。^^
貴方も石垣島に伝わる伝説を思い浮かべながら、遠い空の向こうに輝く「ケンタウロス座のα・β星」に思いをはせてみませんか??