赤馬(あかんま)の伝説
馬と飼い主の絆を描いた伝説です。
現在ではこの伝説をテーマにしたお祭り「 あかんまフェスタ」も行われています。
むかし、大城師番という 役人が住んでいました。
ある日、師番が名蔵湾の北、シィーラ原の海沿いを歩いていると、 子馬が浜辺をさまよっていました。
子馬の毛は、普通の赤馬の毛よりもっと赤く、ベンガラをまぶしたような色をしていました。
自分の子を亡くしている師番は、「ここで会ったのも、何かのめぐり合わせに違いない」と思い連れて帰りました。
師番は、その子馬を我が子のように大切に育てました。
子馬は大きく気品にみちた名馬に成長し、赤馬の愛称で呼ばれました。 赤馬には主人の心が、すべてわかるようなのです。
やがて、そのうわさは琉球王国・尚貞王まで届き、馬を献上せよという命令が下されました。
名誉なことでしたので嬉しく思うと同時に別れの寂しさも感じていましたが馬を連れて、はるばる八重山から首里までやってきました。
尚貞王は、美しい赤馬に満足し、乗ってみることにしました。
しかし、赤馬は暴れ出して、尚貞王を振り落とそうとしました。
怒った王は、「こんな馬は殺してしまえ!」と家来に怒鳴りました。
馬役人が慌てて師番を呼び寄せます。師番が近づいてくると、今まで暴れていた馬はすぐにおとなしくなり、師番を乗せて矢のように走ります。
その姿に心を動かされた王は、師番に褒美を取らせ、八重山に帰るようにいいました。
このことで、赤馬の話はますます有名になり、遠く九州の薩摩の殿様から馬を差し出すよう命令がきました。
師番は身を切られる思いで赤馬を薩摩の殿様に献上することにし、島の港まで見送りに行きました。
船が出ると途端に急に天気が崩れ、大嵐が船を襲いました。赤馬は 綱を切って海に飛び込み、 力の限り泳いで、なんとか島までたどり着くと、師番のもとへ走りました。
師番は赤馬の蹄の音に気付き、愛馬と再会を果たします。しかし赤馬はもう疲れきっていました。師番の顔を見つめると、静かに目を閉じて、崩れるように息を引き取りました。
赤馬が琉球王国に召されたときと、琉球王国から褒美をもらって帰るときに作った師番の歌は「赤馬節」として、 今でも、おめでたいよろこびの歌として、歌われています。
別れの日に船に乗せられて行く赤馬を見送った場所は「馬見盛」と呼ばれ、現在は赤馬の碑が建てられています。
赤馬の公園は、市街地から国道390号線を北上し宮良橋を渡り、宮良集落手前の坂道の途中の海側にあります。
さてそんな赤馬伝説に思いをはせながら、石垣島で乗馬を楽しんではいかがでしょう。
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